【薬剤師より】~葉酸のススメ~
神経管閉鎖障害と予防サプリメント

 
今回の記事は、妊娠するかもしれない女性妊活中のご夫婦に読んで欲しい記事です。
 
 
 
 
「葉酸って本当に必要なの?」「葉酸サプリメントってどうなの?」といった質問にお答えします。
 
 
 
 
具体的には、
 
〇葉酸の必要性(メリット・デメリット)
 
〇特に葉酸が必要になる女性
 
〇男性は葉酸を飲む必要はあるのか
 
〇葉酸の摂り方( 飲む量、飲む期間、食事、サプリメント )で説明します。
 
 
主に以下2つを参考に記述しました。
最新の情報は医師、薬剤師に相談してください。
 
[1]独立行政法人 国民生活センター
胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品
平成 23 年 5 月 26 日
 
[2]産婦人科診療ガイドライン 産科編2014
平成26年6月
 
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葉酸とは

葉酸は、水溶性の B 群ビタミンの一つで、細胞の分化に不可欠な栄養素です。
特に胎児の障害リスクを減らせると考えられている栄養素であり、葉酸摂取により新生児障害(神経管閉鎖障害)の50~70%を予防しうることが示されていることから、現在、アメリカをはじめ、53カ国で穀物製品への配合強化等が行われています。[1]
 
 

葉酸って必要なの?

結論から言うと、葉酸は必要です。
妊娠する前から市販のサプリメントを摂っておくと、赤ちゃんが神経管閉鎖障害になる可能性が低くなります。また、産科合併症になる可能性を低くするかもしれません。[1][2]
 
 

メリット

  • 子供が神経管閉鎖障害になる可能性が低くなる。[1][2]
  • 早産、胎児発育不全、常位胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群などの産科合併症のリスクを減らせるかもしれない。[2]
 
 

デメリット

  • 喘息発症に関係するかもしれない。 「妊娠後期(30-34 週)に 1mg の葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)のサプリメ ントを飲んでいた場合は、飲んでいなかった場合と比べて、小児が 3.5 歳の時点で喘息にな るリスクが 1.26 倍高かった」という報告もあるそうです。[2]
  • 購入するのにお金がかかる。

神経管閉鎖障害とは

神経管閉鎖障害とは、無脳症、二分脊椎などのことです。
赤ちゃんが形作られる初期の段階で形成される脳や脊髄のもととなる神経管と呼ばれる部分がうまく形成されず、きちんとした管の形にならないことに起因して起こる障害です。
 
 
無脳症では、脳に腫瘤(はれもの)があるなどして、脳の発育ができません。そのため死産になってしまったり、生後数日または数週で死亡することが多いです。
日本で出産された数は、1万人生まれて1人くらいです。(2002年)[2]
 
 
二分脊椎症は、 腰部の中央に腫瘤(はれもの)があるものが最も多いです。何も感じず元気に過ごす子もいれば、重度の障害をもつ子もいます。ときには手術が必要になります。
日本で出産された数は、1万人生まれて5人くらいです。 (2002年)[2]
 
 
 

男性は葉酸が必要なの?

インターネット上で検索をして調べると、確かに葉酸により男性にも効果があると書かれている記事があります。
ただ、私はその証拠を把握できていないので男性に摂取するように無理には勧めません。
ただ、ご夫婦で一緒に飲んで頂いても問題ありませんが、
旦那様と妊娠予定、又は妊娠中の奥様で飲んで頂く量は異なります
 
 

特に葉酸が必要になる女性は?

これまでに神経管閉鎖障害のお子さんを妊娠したことがある女性[2]

抗痙攣薬(例えばカルバマゼピン、バルプロ酸)、潰瘍性大腸炎の治療薬(サラゾスルファピリジン)などを服用されている方[2]

 

妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性のある女性[1][2]

表の下の注意書きからわかるように、
妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性のある女性は、神経管閉鎖傷害のリスクの低減のために、付加的に400μgのプテロイルモノグルタミンサン酸の摂取が望まれる。付加的にというのは、食事から摂れる葉酸の量に加えてサプリメントから摂取すると良いということです。
 
耐容上限量はそれ以上の量になると健康に害が出るかもしれない量です。
 
 
引用元:厚生労働省HPより日本人の食事摂取基準
 
 

妊娠、妊活中でなければ、通常通り食事からの葉酸摂取で、基本的に問題ありません。[1][2]

葉酸の摂取方法

まずふだんの食事の充実、次に葉酸が強化された食品(錠剤やカプセルの形ではないもの) の利用、どうしても足りなければサプリメント、という順番で考えてみましょう。
 
 

飲む期間

神経管は妊娠6週末で完成するので妊娠に気づいてからの葉酸をとっても遅すぎます。
妊娠の1カ月以上前から飲み、妊娠3ヶ月まで続けましょう。[1][2]
葉酸をとることで副作用(体に害になること)はほとんどないです。
しかし、「妊娠後期(30-34 週)に 1mg の葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)のサプリメ ントを飲んでいた場合は、飲んでいなかった場合と比べて、小児が 3.5 歳の時点で喘息にな るリスクが 1.26 倍高かった」という報告はあります。[2]
 
 
ここでの注意点
サプリメントにも食事のアレルギーと同じように、自分の体に合わないものがあります。蕁麻疹が出た。いつもと違うなぁ、など、些細なことでいいので、気になることがあれば医師、薬剤師に相談してください。
 
 

飲む量

妊娠する可能性がある女性

1日0.4mgの葉酸をとれば、神経管閉鎖障害が発症する確率が低くなります。[1][2]
 
 
 ここでの注意点
医師の指示がないのに、1日1mgより多くとってはいけません。[1][2]
 
理由は、3つあります。
  • 悪性貧血といった疾患にかかっていても、葉酸を1mgより多くとっていることで、悪性貧血にかかっていることがわからなくなってしまうからです。 (2000年の旧厚生省からの報告より)
  • 亜鉛とくっつき、亜鉛の吸収が悪くなってします。
  • 発熱・蕁麻疹・紅 斑・かゆみ・呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがあります。
 
 
 
 

妊娠する可能性がある女性(これまでに神経管閉鎖障害のお子さんを妊娠したことがある方)は医師に相談しましょう。[2]

神経管閉鎖障害のお子さんを妊娠されたことのある女性が、医師の指示通りに妊娠前から1日4mg(5mg1錠)の葉酸を摂った場合、神経管閉鎖障害のお子さんを妊娠する可能性が低くなります。(再び神経管閉鎖障害のお子さんを妊娠される可能性が72%少なくなるといった調査結果があります。)
相談をされると、
妊娠前から妊娠3カ月までの1日4~5mg葉酸摂取が勧められるかと思います。[2]
 
 

抗痙攣薬(例えばカルバマゼピン、バルプロ酸)、潰瘍性大腸炎の治療薬(サラゾスルファピリジン)を服用されている方[2]

葉酸を邪魔する作用があるので、医師に相談しましょう。
相談をされると、
妊娠前から妊娠3カ月までの1日4~5mg葉酸摂取が勧められるかと思います。[2]
 
 
ここでの注意点
葉酸を含んでいる総合ビタミン剤で摂取しようとすると、赤ちゃんへの影響が指摘されているビタミンAなどの過剰摂取になることもあるので注意しましょう。
サプリメントは様々な成分が含まれるものがあります。
特に海外のサプリメントは要注意です。医師に処方してもらうのが良いです。
 
 
ここでの注意点
毎日どのくらい摂取したか、葉酸の量をメモしましょう。
 
 

サプリメント

葉酸は食事からも摂取できます。
しかし、サプリメントの方がよく体に吸収されることが知られています。[1][2]
この理由は、食事に含まれる葉酸の形と、サプリメントに含まれる葉酸の形が異なるからです。
また、 葉酸は熱に弱く、調理に際して 50 パーセント近くが分解するか、水溶性のためにゆで汁に溶出するため、調理によって失われやすいです。
そのため、特に葉酸が必要になる方にはサプリメントの摂取をお勧めします。
上記の飲む量で説明したように、サプリメントには葉酸以外の成分が含まれていることもあるので必ず確認しましょう。
 
 
 
ここでのススメ
葉酸は小腸で吸収されるのですが、サプリメントによって胃で溶けるのか腸で溶けるのか違いがあります。購入するときに胃で溶けるのかそれとも小腸で溶けるのか問い合わせて確認するのも良いかもしれません。もし小腸でも溶けないとなれば、吸収率があまり良くないサプリメントである可能性があるからです。
できればドラッグストアや薬局に行って、薬剤師に相談して購入しましょう。
 
 
 

食事

葉酸は、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や、いちご、納豆など、身近な食品に多 く含まれています。
妊娠される予定の方、妊娠中の方でなければ普段の食事から必要な量を摂ることができます。[1]
 
 
 

まとめ

規則正しい食生活が大切です。
 
妊娠前の女性は、必要であればサプリメントから葉酸を摂取しましょう。
ご自身に必要な量だけサプリメントを飲めばよいので、わからない場合、詳しくは医師、薬剤師に相談することをお勧めします。
 
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